選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞

『SARU』五十嵐大介

  • SARU 下 (IKKI COMIX)

  • 「伊坂幸太郎の小説『SOSの猿』とのコラボ企画という異色作だが、伊坂作品を読んでなくても楽しめる。 言うなれば五十嵐版「AKIRA」。この作家がこんな風に、空母は出るわ戦車は出るわのバトルアクショ ンを描くとは、驚きの一言。しかも堂に入っている!」

    「「民俗学・神話学」に焦点を絞った今作品。今までの五十嵐作品に見られた牧歌的な空気はあまり感じられ ないかもしれないが、学問的要素がちりばめられているので読み応えがかなりあった。民俗学好きには堪ら ない!孫悟空に関する考察も非常に興味深い。」

    「久しぶりにどきどきするマンガだった。上巻の序章が最高に面白い!絶対絶命をどう乗り切るかハラハラ感 がたまらない。全二冊なのにこの世界感の創造は本当にすごい!あと、装丁がかっこいい。」

    「光と闇、精神と物質、魔術と現代兵器、さまざまな二項対立が唯一無二の画力によってスパークする様が圧巻。 」

    「「遥かな昔... この世界に巨大な力を持つ存在があった... 世界のあらゆる秩序を左右する程の力... それ は猿のような姿をしていた。」エジプトのトート神、斉天大聖孫悟空、そしてアンゴルモアの大王などなど、 物語が広がるだけ広がっていく上巻に心配を感じなかったといえば嘘になる。けれど、その 8 ヶ月後に下巻 発売...。そんなことは杞憂だった。他の五十嵐大介作品と同じで、この作品も読むたびにいろいろな色彩を 帯びる。五十嵐大介は超自然的なものを描くのがほんとにうまい。」

    「ハリウッド映画の「ダヴィンチ・コード」「ハムナプトラ」あと「キングコング」なんかをごちゃまぜにし て五十嵐大介氏独特の味付けを施した結果、この「SARU」が出来上がりました。って感じ。今までの著者 の作品の「神秘」「幻想」といった特徴を残しつつ、新たな分野への挑戦が感じられます。」

    「根底にあるのは善と悪の戦い。壮大なスケールのオカルト話だが、作りとしては昔のゴジラ映画を思い浮か べた。不可思議な事件が起き、人間が謎解きを始め、そして戦い。ちまちま悪魔払いをするだけがオカルト ではないのだ。」

    「マジックの力を使って悪い奴を滅ぼす...嫌いなわけないです。この展開 ( 笑 ) 」

    「裏付けのしっかりしたファンタジーです。民間伝承をしっかり調べて独自の解釈加えてるから、空想でなく この世界の物語っぽい印象を受けます。これ読んでから表紙の目が怖くてたまらなくなりました。物語のス ケールも壮大で全 2 巻とは思えないぐらいの内容でした。」

    「裏個人的にこういう「偽史」っぽい統一的世界観を元に作られている作品には弱いので、素直にやられた。 」

    「ストーリーが独特で、これまた良い。正直、画はイマイチなのだが、続きが気になる。」

    「深い考察の上で展開する物語。1巻では理屈を読み込むのにせいいっぱいでしたが、後半は絵と造形だけで 楽しめます。最終的には若干物語に都合のいいように話がまとまった感はありましたが、運命はそういうも のだということでしょう。こちらもこの作家自体をオススメしたい。」

    「下巻後半で、ロマ族のビエラ・カリが登場して、彼女の星の楽団とともに歌い出すあたりから、読んでいる 僕の心の中にグワーッと大きなうねりのようなものがわき上がってくる。言葉にできない感情の奔流とでも 言えばいいんだろうか。さすがに初読の新鮮さは失われてしまったとはいえ、今でも読み終わった後に世界 が少し変わって見えるような気がする。」

    「壮大!これ、すごいぞ!そう思いながら読みました。この作品からは音も、大気の動きも、感じられて、そ れはこのマンガの凄さだと思いました。紙のマンガからそれを感じる。また紙に印刷されたマンガだからこ そ、それを感じられたのかもしれません。読み終わった後はブハァ!と息をはきました。読むのに馬力がい るけれど、これは本当にすごかった!五十嵐先生はこの作品を構築して紙の上に吐き出すなんて、とんでも ない人だな、と思いました。この人もSARUなんじゃないの?とも思いました。しかし、本当にすごかった。 すごいとしか言えない。」

    「もう!久しぶりにドキドキした作品!上巻がプロローグのようで恐ろしさだけがどんどん迫ってきて、本当 にどうなっちゃうのかと......映画をみてる感じだった。下巻は反面、スピード感がすごかった。意外や意外。 でも、そうかと納得してします。ドシッ!としたあとに すっきりと気持ちが落ち着く。特筆すべきは「装 丁」!かっこよ過ぎる!額に入れて飾ろうか迷い中。」

    「もっと評価されていい作家さんこの作品は、新しさと、懐かしさの共存、しかし、懐かしさの部分で、いい 意味で、裏切られる、そこに、新しさがあるそんな、漫画人の、興味は、短な物~人智を超えたものその意味で、 大変素晴らしい作品だと思います」

    「とにかく話がデカいのよ!なのに全部腑に落ちてしまう猛烈なマンガ体験。」

    「現実の社会で問題となっている伝統文化の消失を漫画のストーリーに盛り込んでいる事で、とてもリアルに 漫画の世界に入り込んでしまった。五十嵐さんの秀悦っぷりに舌を巻きながら、バビル2世を呼んでいる時 の様な感覚もあり、深く読み込んだ。非常に面白かったです。」

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