選考員コメント・1次選考
「バカバカしい。ストーリーも何もなく、別に次話も楽しみではない。だがちょっとした時間の隙間に何も考えずに読むにはこんなマンガがイイ。」
「スタイリッシュ」
「ただのオシャレ系ナンセンス作品と思い、何となく敬遠していたが、読んでみると意外、クールどころか「暑苦しい」感動エピソードが満載。オヤジさえも虜にするとは、何とクーレストな! あの帯を作った編集者は優秀だなー。」
「ダサイのに何故か格好良い。スタイリッシュ(笑)な坂本君!」
「度を越すカッコ良さは、至高のギャグになる!びっくりするほど売れても納得!まさにスタイリッシュ!な一冊。」
「坂本君のぶっ飛んだ行動はどこまで続くのか......息切れ間違いなしのギャグマンガ」
「テルマエロマエの流れに似たシュールすぎる笑い。この漫画が、ギャグ漫画として凄いっていうのではありません。切り口のあり方がギャグじゃないのにギャグに見えるのがこのギャグ漫画の凄さであり、面白さなんだと思います。」
選考員コメント・2次選考
「お笑い芸人さんを見ていると、最近ちょっと息がつまりそうになることがありまして。ネタ、だけではなくてお互いのエピソードを披露し合うような場所で、芸人さんが「あの先輩に世話になっている」「あの人はこんな面白いことがあって、すごくすてきだ」みたいなことを耳にすることが少なくないです。考えて見れば、お笑いって産業的にコンスタントにつくろうとすれば、そりゃもう、どんな仕事より高度なチームワークが必要なんだから、そうやって人間関係に気を使うのは、当然だと思うのです。
が、それって、通常の社会人以上に、社会人じゃないですか?
本来、笑いにふれたい!!って思いって、もう、社会の常識からバッカーンと開放される、そういう快感が核にあると思うのですよ。
そこへ行くと、この、「坂本ですが?」は、もう、徹頭徹尾、バカバカしい!!!!!
作者さんは自分が思いついちゃったから!というギャグを楽しんで紙面に叩きつけまくっているスガスガしさが溢れかえっていて、その作品に登場するカッコつけている坂本くんそのものも、誰かのためにカッコつけているわけではなく、自分がやりたいように行動しているだけ!人間関係を逆算して作った産業ギャグの正反対、人間の発想ってこんなにも自由なんだ!と、我々の事前予測の死角に入りまくる坂本くんたち!!ああ、自由!!
友人のお母さんが坂本くんに惚れている回の一コマ一コマや、一箇所、かっこよさの演出のために、「暇」が「いとま」ってルビがわざわざふられていたりして、どんだけ、楽しんで作っているんだと。
デトロイト・メタル・シティ以来の力強い爆笑を提供してくれると同時に、ああ!!自由!!という気分を味あわせてくれる、「自由マンガ」です!」
「芸の世界で「大真面目にやるから面白い」というが、このマンガはまさにその好例。オリジナリティーという意味でも抜群。こんな同級生がいたら、(いろいろな意味で)学校はさぞ楽しかっただろうなぁ......と思います。」
「スタイリッシュ・・・新しいギャグの形か???」
「読むはしから口真似がしたくてたまらなくてうずうずする。メガネ男子を見ると、「ねえ、あのセリフ言ってみて」と強要したくなる。ギャグでゲラゲラ笑うとか、その程度では済まない。頼まれてもいないのに頭の中で反芻し、覚えようとしてしまう。そこにある、夢中にあってのめりこむ感がなんとも言えず、楽しく懐かしく、誰かと共有したくて、最初の一文に戻る。」
「読み終わった後、ついスタイリッシュをしたくなる。」