「雑誌で追っていて、ついに待望の1巻が出た。ますますおもしろい。ストーリーの意外性と画面の魅力が拮抗していて非常にバランスがいい。」
「 市川春子は『虫と歌』と『25時のバカンス』の2冊の作品集で、人と人ならざるモノとの関係を描いてきました。この特殊な関係が生み出す感情や思いを、洗練されたデザイン画のようなコマ割りを駆使して描くのがこの作者の特徴です。『宝石の国』においては、もう人間は出てこず、特殊な環境下で生まれた人格を持った宝石たちの物語となっています。宝石たちは基本不死なのですが、28人しか存在せず、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人との戦いが日常です。宝石の特性ごとに能力や身体の構造に違いが有り、その個性によって生まれる悩みや、キャラ同士の関係性が面白い。宝石たちに性別はありません。この性を超えた愛情がとても胸を打ちます。 もう一つ、月人との戦いが素晴らしい。ページ毎、アート作品にも見えるかのような、華麗なアクションシーンが、この作品の最大の魅力となっています。 作者独特の台詞回しも健在。とっつきにくい難解さはあるけれど、その壁を越えた先にあるカタルシスを味わってほしい。」
「マンガ自体はモノクロなのに、色付きに見える、そんな鮮やか・キラキラ感にもう夢中!流麗な戦闘シーンがたまりません。読んでいるだけで、音楽がきこえてくるような、作りこまれた雰囲気と世界観が素晴らしい。宝石たちの学園モノ・・・・今一番、雨の日の昼下がりに(現実逃避したいときに)ひとりで読みたい漫画NO1です。」
「『虫と歌』に『25時のバカンス』と、描くもののすべてが珠玉という市川春子の新作は、輝く宝石たちを主人公にしたこれも珠玉のストーリー。硬くて。脆くて。柔らかくて。強くて。美しくもあって。恐ろしくもある。そんな宝石たちが人の形となりながら、それぞれの特質を持ったまま滅びかけ、復興の途上にある地上で月よりの侵略者を相手に戦いを繰り広げている。硬さを誇るダイヤモンドに、ねばり強さを持ったボルツ。戦いに優れた能力を発揮する者たちがいる一方で、主人公のフォスフォライトはあまりに脆く、戦いに向かないために記録係となって、宝石の子たちの戦いや日常を綴っていく。色も、形もさまざまにあって、同じ種類でも、ひとつとして同じものはない宝石たちは、人種が違い性別も違い年齢も職業も様々な人間と同様。それらが互いを認め、信じてまとまり暮らしている姿から、人の世に区別なく差別もしないで生きていくために大切なことを感じ取ろう。」
「まったく新しいSFの世界。描写の美しさにも脱帽。」