「発売前から話題になっていたこの本は、やはり評判どおりの力を持っていた。あらすじを書くのは控えるが、いわゆるいくつかの『タブー』に触れた作品とも言えるかもしれない。そのなかの一つが『いじめ』なのだが、この作品の恐ろしいところは、いじめているほうの気持ちも、いじめられているほうの気持ちも、どちらも分かってしまうところだ。ものすごい説得力を持ったまま、物語は数年を駆け抜けていく。果たして、この先どう物語が展開していくのか。話の中心にいるのは、耳の聞こえない少女と、彼女をいじめていた少年。それは、もしかしたら、自分と他人とは違うのだ、ということをもっとも端的に表しているのかもしれない。そして、その両者がどうやって関係性を育んでいくのかを、あらためて描き出そうとしているのかもしれない。そんな気がした。続きがとても楽しみな作品が、また世に出てきた。」
「少年マンガで、鳥肌が立って、心震える作品に久しく出会ってなかった気がします。ぜひ多くの人に読んでほしいマンガです。耳の聞こえない少女と、彼女をいじめてしまった少年。二人の未来が明るいものであることを願いたいです。」
「読み切り版がとても凝縮されたものだったので、まさか連載になるとは思っていなかった作品でした。なのでほぼ1巻分たっぷりにのばされた小学生時代のイジメのシーンは本当に胸糞がわるくなるばかりでモヤモヤしますが、とにかく目が離せません。言葉、描写全てがとても心にささってきます。読んで後悔はしません。」
「新人漫画賞の入賞作品でありながら「聴覚障害者に対するいじめ」というテーマを理由に掲載が見送られたという経緯を持つ作品。お蔵入りから奇跡の復活掲載を果たした後、セルフリメイク版の読み切り作品として掲載され、さらにリメイクされ連載版に。いずれにも、いじめにあう聴覚障害者の少女も、いじめた少年は登場するし、共通する登場人物も多い。大筋のエピソードも同じであるが、新たな視点を提示し、読む者の心を揺さぶる。読み返すほどに発見がある一冊。」
「『別冊少年マガジン』『週刊少年マガジン』と2回に渡り、聴覚障がい者に対するいじめを描いた読み切りが話題となり、連載スタート。一度完結させた話を読み切りで一度リメイクして、さらに連載向けにもう一度セルフリメイクしての連載という離れ業。フィクション作品であっても、表現手法やモチーフがやり玉に上がりやすいいま、臆することなくこのテーマに取り組んだ作者の意志にも拍手を送りたい。現2巻続刊。」