選考員コメント・1次選考
「終始ゆるーい温度感で読ませてくれる優しい絵柄やギャグのセンスも押し付けがましくなくてちょうど心地よい感じ。
セリフの随所に作品のテーマ的なものが散りばめられているので一度読んでから読み返すとハッとすることも。名言多し。」
「会話と間、人と人との関係が青春素晴らしさをばくはつさせているあ」
「思い出すと、ついにんまりしてしまう。それぞれの抱える事情は文字にしてみれば決して軽くはなく、しかめっ面で語ろうと思えばいくらでも物語にしてしまえるだろうはずのことばかりなのに、なぜかこの話の人々は驚くほど軽やかにそれを飛びこえて、お話を進めていく。爽快で痛快!上下巻という構成もほど良く、特に下巻後半からのスピード感はちょっと他ではお目にかかれない。誰かと向き合って嘘なくきちんと相手を大事にして進むこと。それって、こんなに簡単でこんなに難しいんだよって言われているようで。そのできるかぎりの全力さが、まぶしくて、くすぐったくて、きゅんとします。私の2014、一番です。」
「タイトルと、帯にあった「ボーイミーツガール」がいまいちつながらなかったのですが、それでかえって気になって読んでしまいました。初めて異性を好きになった頃の感覚が思い出される作品でした。2回、3回と読みたくなる作品でもあります。」
「ほのぼの探偵ごっこものかと思ってたら実はキラキラした恋愛ものでした。泣いた。誰かをこういうふうに好きになれt...(以下自粛」
「読後爽やかな気持ちになる、ど真ん中の青春ストーリー。
老若男女、全ての人にお勧めできる快作。
山下敦弘監督あたりが、映画化してくれないかな?」
「書店でタイトルに惹かれて上巻を買い、
帰宅して読み終わった直後に下巻を買いに出かけた。
早足で。
音楽で言うところの、ひねくれPOP。
でもそんな言葉でまとめたくもない。
皆さま購入の際はセットがオススメ。
必ず続きを買いに行くことになるので。」
「どことなく懐かしい雰囲気がある作品。
ほのぼのしているようで、そうでない独得なセンスと、会話の掛け合いがとても面白い。」
「上巻だけ買って様子見よう、はいりません。一気に上下巻の購入で問題なしです。」
「下巻のあとがきにある編集さんの一言が、私の感想に一番マッチしてる気がします。「甘酸っぱすぎて死にそう!」」
「失踪・新興宗教・超能力・探偵などなど胡散臭さ盛りだくさんな本書。
暗い作品かと思いきや、実は甘酸っぱさ全開の青春漫画!
読めばニヤけること間違いなし!」
選考員コメント・2次選考
「30代がわかる元ネタがドンピシャはまって気持ちがいい、甘酸っぱい気持ちの青春感もあってすばらしです!
」
「マンガ大賞のおかげで毎年すばらしい作品に出会える。今年もまた、このマンガに出会ってそう思いました。
ついついオトナの視点で見守ってしまう、子供たちの大冒険。」
「こういうマンガを、多くの人がいいと思って手に取る世界って素敵だなぁ、と思います。」
「より広く、多くの人に読んでもらいたいとなるとこの作品になりました。飄々とした中に心の激しい動きが描かれていて、さわやかな読後感でした。」
「雑誌掲載時、次が気になって、そして終わってほしくなかったマンガでした。コンパクトに上下巻にまとまっていて中身はというと、テンポのいい会話とストーリーとかわいい絵柄、そして最後は悶え殺す気か!とニヤニヤしながらつっこんでしまう本当に本当に素敵なボーイミーツガールなマンガでした!」
「上下巻と2冊で巧くまとめられているのにもかかわらず、続きをずっと読んでみたいと思わせてくれる作品。懐かしい雰囲気と描写ですが、読んでいて微笑ましく読了感がとても良かったです。
最後に自分の気持ちと向き合って良かったねと声掛けたくなります。
あぁいうただのではないボーイミーツガール大好きです。」
「子供たちだけでなく大人たちも等しく感情の動く人間として登場していてこのみでした。あまずっぱくて死ぬかと思いました。」
「終始ゆるーい温度感で読ませてくれる優しい絵柄やギャグのセンスも押し付けがましくなくてちょうど心地よい感じ。セリフの随所に作品のテーマ的なものが散りばめられているので一度読んでから読み返すとハッとすることも。名言多し。」
「これぞ「マンガ」ならではの作品だなあと思ったので、1位に選んだ次第です。
高校生の夏のふんわり思春期作品だと思いきや、全力でハンドル切ってあちこち寄り道した挙句、やっぱり高校生の夏休みってこれこれ、この感じよね~っていう好感触の読後感。すごいね、気持ちのいい作品ですよね。全力でおすすめできるなあって思ってます!」
「つらいことの先に。かなしいことの先に。確かにある、大事なこと。
マンガには救いがあってほしいと願うようになったのはいつの頃からか、でもとみに最近そう思うようになりました。人の感情の醜さや激しさ、どうしようもなさを描いたものも、大事です。でも私が好きなのは、それらの先にある何でもなさや、軽やかさ、どうしようもないことを受け止めて「大事にしたいものを大事にする」強さ、なんです。
そういったものを、この作品はたった上下巻の紙の束の中に現わしてくれました。だから、ありがとうと言いたい。あなたたちの物語に救われる心があるんだよと、言いたい。この作品が、私の今年の一推しです。」