「圧倒的な描き込みと、閉塞的だが魅力が多い泥クジラの世界。吹き荒れる砂嵐のような展開だった1巻のラストの衝撃は未だに忘れられない。今一番続きが気になる作品です。」
「重苦しい話が続きますが、世界観の設定や物凄く広がっていきそうなストーリーの虜です。」
「見えてきた世界の厳しさに戦慄している。分かってきた運命の残酷さに慟哭している。第1巻で想像されたとおりだったと、砂の海を行く泥クジラに暮らす者たちの正体が明らかになった第2巻。時を隔て、その運命を座して受け入れ、滅びることを厭わない老人たちの諦めを、年若い少年たち、少女たちは決して認めようとはしなかった。敵によって子供たちが殺され、泥クジラを導いていたリーダーも殺されてしまい、そして敵は未だ止まるところを見せずに攻撃を続ける。戦っても勝てず、反撃の芽すら摘まれた未来に見えるのはひたすらな絶望。それでも少女たち、少年たちは生き残るために、自分たちの価値を認めさせるために戦い続ける。さらなる悲劇に見えながらも、続く第4巻以降、逆転の未来はあるのか? クジラの子らの運命は変えられるのか? 練り上げられた世界設定の上で繰り広げられる、罪を贖い理解を求め、過去を振り払って未来をつかもうとあがく者たちの物語。竹宮恵子の『地球へ...』、萩尾望都の『スター・レッド』に匹敵し、あるいは超えて行きさえもするSFコミックだと断じたい。」