選考員コメント・1次選考
「現実に起こりそうなIT犯罪のリアリティ。ユニークな魅力もイライラさせるところも新鮮な主人公像。」
「是枝くんの不器用な強さが好きです。坂井さんのかっこよさも最高!!」
「扱う題材はサイバーだけどストーリーは思いっきり王道。滾ります!!」
「「パソコン」が友達と言って主人公が、徐々に人間らしさも持っていくストーリーに引き込まれます。だが、根底はハッカーとしてしか生きていけない、そんな主人公の次の展開が楽しみ。そんな事できんのかよ!ってつい思います!」
選考員コメント・2次選考
「圧倒的リアリティは。すぐそこにある。」
「毎年マンガ大賞に投票するときは、「普段マンガをあまり読まない友人にお勧めするならどれ?」というのを意識するようにしているのですが、今回はそんな考えを何もかも吹っ飛ばしてしまう作品に出会ってしまったので、王様のヴァイキングを1位に推しました。
理屈じゃない、とにかく面白いんですよ!
天才ハッカー是枝くんがこれからどんな風に変わっていき、どんな世界を見せてくれるのかを心待ちにしております。」
「強いコンプレックスを抱え、いろんな生き方を選べない主人公。でも、「この道しか無い」と思えるような道を全力で歩めたら、素敵な事だと思いました。
自分を最大限に生かす生き方が格好いいです。」
「続きが楽しみな作品。読んでいてわくわくします。」
「厨二の道は王道に通ず。
滾る。」
「登場人物たちは皆、表と裏の顔を備え、善と悪、自由とルールの境界線を行き来しながら、何かを生み出そうとし、何者かであろうとする。ヒリヒリするようなヒーロー像が魅力です。」
「主人公の考えや動きが予想出来ないスリルがあって気が付くとあっという間に読み進めていました。
また主人公が成長していく過程に胸が熱くなります。
今までにあまりないテーマの漫画だったので新しい世界が開けました。
次巻以降も楽しみにしたいと思います。」
「周りの友人達が意外と知らない、読んでない作品だったけど、面白かった!
こういう勢いのある作品にグイグイ持っていかれる感覚はやっぱりマンガならではで、深く考えすぎずに楽しめた。男性に勧めるならコレ。」
「1エピソードで区切れば疾走感があり非常に面白いのだが、全体を見ると、物語の最初から「世界の王様になる」というフレーズが頻繁に出てくる割には、「王様になる」という最終目標の山に対して麓の辺りを道に迷ってうろうろして違う山に登っては下山してを繰り返しているような目標の見えないもどかしさがある。
善悪のモラルもない子供だった主人公が、エピソードごとにだんだんと人として成長している様はあるのだが、「やがて王様になる」というモノローグが頻繁に挟まれるので、どうしても興味がそちらに行ってしまう。
インターネットやプログラム関連の話なので専門用語が続出するが、素人に説明するという手法を使って語句の意味は分からなくとも何をやっているのかが分からなくなる事はない。地味だが、これが上手い漫画は内容も面白い事が多いと思う。
ネットを介してプログラムを使ってではあるが、対人相手の騙し合い・知恵比べといった古典的なコンゲームと本質的に変わらない部分があり、ミステリーファンであれば、コンピュータ方面に詳しくなくとも十分に楽しめる一級エンターテイメント漫画です。」
「自分の仕事は、多かれ少なかれ、早かれ遅かれ、こんな感じの世界だなあと思ってしまい。変な感情移入傾倒をみせていました。同時期に始まった、『マガツクニ風土記』とヴァイキングはセットで自分の頭の中にあったので、マガツクニが終わった時に、ふっと、ヴァイキングも終わってしまった変な感じがあったのですが、半年ほど前にまた、再燃。是枝の追い詰められている感じが自分のいる立場によく似すぎてて、少し気持ち悪い時期もあったけど、今はどっちに行くのだろうと楽しみに見ております。」
「切れ味のいいナイフは、世の中をどう作り変えますか?
何年もかかって研ぎあげられてきた刃物が、使い手を得て、そして自ら意思を持ち始めるのは大変にぞくぞくしますね。
自分もそんな刃を持っていたら、と益体もない想像を巡らせたりもします。
一つだけ不満をあげれば、クラッキングネタがちょっと月並みな気が。」
「主人公は天才的なハッキング能力を持っているけれど、無力感の塊でもある。とことんバランスを崩したキャラが初めて味方と呼べる相手と出会ったとき、どう変わっていくのか。敵味方入り乱れての攻防に、二重三重に張り巡らされた罠。疾走感をまるごと味わいたい作品です。」
「人とどう関わるか、関わり合うか、について描いていて、新しいとおもいました。」
「既に「第五の戦場」と呼ばれるまでになったバーチャル空間。
ISILがYouTubeやTwitterなどを駆使していることを考えると、この作品が描いている事は既に現実で起こっていると捕らえざるを得ません。」
「個人的には普段あまり馴染みのない世界の話なんだけど、それ故か初めて1巻を読んだ時の引きの強さと衝撃が忘れられない。是枝と酒井、ベクトルの違う天才2人の破天荒っぷりが見ていてとにかく痛快。巻を追うごとに成長していく是枝が微笑ましい。」
「脳の回転が早すぎる人は普通の人から見ると鈍臭く感じてしまうことがあるそうで、それは脳の回転の速さに体がついてきてくれないというのを聞いたことがあります。天才とはそういうことかもしれないなあと思いました。」