「最初読んで思ったのは「シックスセンス」という映画です。 多分、頭が陥没しつつも、飄々とした佇まいの登場人物達が、この映画を連想させたのだと思います。死後の処理がお役所仕事だったら、というチャーミングな発想と、暗くなりすぎないストーリーと絵が非常にマッチしてます。悲惨な死因を持つというより、現実にありそうで、ワケアリな死因の人達が、死役所を通って、新しい世界へ旅立つのを見送るのですが、いつしかミステリアスで淡々とした世界にのめり込んでしまいました。どこか温かくユーモアで食えない人達に、事務的に見送られて旅立つのは、きっと心穏やかだろうなぁと。死因に納得出来なかったり、身内に会いたくなったり、怖くなって逃げたり、そういった感情を抱くのは、私もきっと同じだろうな、死役所の人達も「またかよ...」ってウンザリするんだろうなぁと思うと、お仕事お疲れ様です、って言いたくなってしまったりして。そして、死役所通るんだったら、死後もそんな怖くないかな。そう、思ってちょっと心が軽くなる気がしました。」