選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2016大賞作品

『ゴールデンカムイ』野田サトル

  • ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックス)

  • 「アイヌ版「山賊ダイアリー」。メインはアイヌたちが先祖の代に集めて隠していた大量の砂金の在り処を巡る様々な勢力の死闘の物語なのだが、それ以上の割合で狩猟と食事の様子が詳細に描かれるので、そんな感想を抱いてしまう。主人公もそうだが、敵役である男たちも譲れない信念を持つ人間味のある人達ばかりなので、最初は嫌な奴だと思っていても、読んでいる内に不思議と全員を好きになってしまい、みんなに幸せになって欲しいという気になる。とにかく熱い男たちの血沸き肉躍る冒険活劇。ワクワクしながら続きを楽しみにしています。」

    「明治末期の北海道を舞台に、『宝島』みたいな財宝争奪戦、日露戦争で傷ついた男たちの国家への復讐、厳しくも美しい自然描写、人間に襲いかかる狼やヒグマなど、ありとあらゆる冒険小説的エンタメ要素がてんこ盛り。その上ヒンナヒンナ(読まないと意味不明)なのだから文句のつけようがない。昨年1年間で最も瞠目し、夢中になった作品です。アイヌの人々の狩猟文化や暮らしがこれほど克明に描かれたのも驚きで、これは手塚治虫が『シュマリ』でやりたくてできなかったことではないか? 1970年代とは時代が変わったということだろうけれど、取材先との調整等、編集者の苦労は察するに余りある。それを含めて、よくぞこんなマンガを読ませてくれたと平伏します。最近は変なギャグの切れ味も増してきて、血生臭くハードな物語が、ヘタすればコメディーになりかねないのが心配でもあり楽しみでもあり。このまま突っ走って欲しい。ヒンナヒンナ!」

    「とにかくお話も絵も勢いがあって五巻まできても全く飽きません!メインストーリーパートとアイヌ飯パートの緩急がよいですね。主人公・杉元の説得力ある不死身感も好きなのですが、アシリパさんのかわいさ、かっこよさ、けなげさ、天然さ...全てを兼ね備えたキャラクターが最高です。歴史物、メシ物、パラレルなどクロスオーバーな作品で色んな好みの人に読んでいただけるのではないかと思うので、あちこちで推されていますがやはり今季イチオシです。」

    「少数民族が大好きで、アイヌ文化!だ~!!それに自然の驚異と埋蔵金もからんできて、続きが気になって眠れん!!と思ったら、カワウソや鹿を食べてやがる!!うぉい!とつっこみを入れつつも料理もおいしそうで許しちゃう。むしろ料理にも引き込まれちゃう。血なまぐさい展開はさけられないだろうけど、主人公たちはいつまでもおいしそうにご飯を食べててもらいたいな~。鍋にはオソマですよね!」

    「2015年らしさを一番感じた作品。」

    「面白い、とはこういうことか!荒唐無稽な大風呂敷設定の一方で、説得力あふれる詳細な民俗考証、サプライズに満ちた展開、まさに「マンガチック」な大げさなキャラクター、派手なアクション、見たことないグルメ、ギャグとシリアスを同じ目線で行き来する温度感、ねっとりと濃いのにどこか爽やかな画風、どれをとっても最高!マンガを読む快感に充ち満ちた作品!そしてこれを「結末を知らずに」読むことができる2016年...!いや、今読まずしてどうする!!」

    「アクション&食をガッツリ融合させた力作。ギャグも豊富で茶目っ気にあふれているのも良い。」

    「食×アイヌ×日本兵×お宝×新選組×脱走×......と内容盛りだくさんの作品。いろいろな要素が上手いこと組み合わさって・絡み合って、なんとも言えない、お腹が空くお話になっています。決してこの作品を空腹状態で読んではいけません。」

    「常に死と隣り合わせで、尋常でない緊迫感溢れるバトル。大自然の恵みである食。詳細に取材されたアイヌ文化。そして絶妙なタイミングのギャグ。それらすべてが奇跡的に絶妙に混ぜ合わさっていて、読まないと損と言い切れる。白石のフキダシについてる小さい白石!」

    「時代背景を戦時に絡ませたり舞台設定に極端な郷土要素を入れるなど、第一印象が手塚治虫が原作かのようなマンガ。すべてがハードでエッジが立っているしが、絵柄そのものとアイヌの郷土料理シーンが全体をいい意味でマイルドに仕立ててくれてます。ここまで残虐なシーンが多いにもかかわらずいやったらしさがないのは本当に作り方のうまい漫画家さんのマンガなのだと思います。」

    「主軸ストーリーだけでなく、アイヌ文化を感じることができる楽しさがある作品」

    「年末のこのマンガがすごいで2位になったのは知っていますが、やっぱり押さざるを得ません。こちらもフードまんがとして最高におもしろい。一般にあまり知られていないアイヌ文化にスポットを当てていて、不勉強なことに知らないことばかり。そこにもたいへん興味をそそられます。」

    「隠されたアイヌの埋蔵金を追う本筋のサスペンスはもちろん、そこに挿入される日常の知恵とごはんの描写がたまらなく好き。お陰で美味しそうなものをみると、つい「ヒンナヒンナ!」(アイヌ語で美味しいの意)と言いたくなってしまう身体に...。見開きやコマの使い方や描き方もかっこいい。見逃せません。」

    「アシリパさんがかわいいのです。そして、最近料理するときたたきを作るときチタタプ、チタタプとうたいながらやってます。やってしまってます。これはそう。はまってる証拠です。」

    「表情豊かな作品です。だから、食べ物がとても美味しそうですし、生きてる感じが強くします。うんちくが多いものの、そのうんちく話の後のキャラクターの豊かな表情があるからそれほど気になりません。展開もはやく、どんどん話に引き込まれます。」

    「本気のジビエ。滴る肉汁。戦争、兵士、死刑囚、皮剥ぎといったシリアスで怖ろしげなモチーフに彩られているのに、なぜかコミカルで笑ってしまう。味噌は美味しい食べ物です。」

    「新鮮で美味しい料理の数々を、ヒンナ、ヒンナと美味しそうに食べる姿や、死んだ魚のような目をしながら食材(希少部位)を口に運ぶ姿をみていると神に感謝したくなります。命のやり取りを感じさせてくれるストーリーがたまりません。」

    「血が湧きます。ストーリーの組み立てが神業!アイヌの説明~回収が面白い程、上手いです。もう感動。しかも、「えええ~」という、ストーリーの差し込み。 夢中です。」

    「アイヌの遺した金塊を、元日本兵士の杉本はアイヌの娘アシリパと、囚人の刺青を手がかりに探していく。いろいろな謎がわかってきてとても面白くなってきた。そしてアイヌの娘とのやりとりや、アイヌの文化、食事などが暖かく描かれていて、とても愛おしくなってくる作品。」

    「大自然の中での冒険活劇で、アイヌ文化も描かれていて、登場人物は皆魅力的で、目指すは黄金! 面白く無いわけが無い」

    「いろいろてんこ盛りで野田さんのサービス精神とマンガ愛を感じます。」

    「飯ネタ漫画にしては壮大な設定・ストーリーが描かれていて先も気になる漫画。アイヌ飯で絶対に体感することのない料理が続々出てくるところが想像力を掻き立ててくれて楽しいです。」

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