選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2016一次選考作品

『辺獄のシュヴェスタ』竹良実

  • 辺獄のシュヴェスタ 2 (ビッグコミックス)

  • 「中世ヨーロッパで行われたという魔女狩りに、成り行きで養子として育ててもらった大切な養母を殺されてしまった主人公のエラ。その魔女狩りを施行した修道院に連行されてしまうがそこにはエラの決意が秘められていた...。そんな幸せから暗転してしまったエラの長くて辛い復讐劇が密やかに始まる。新人離れした画力とその壮絶な読者に息つく暇を与えないストーリーが魅力です。次々と捉えた魔女の子達を洗脳してしまおうとする修道院の罠を身体を張って掻い潜り、息をひそめて復讐の時を待つその臨場感は一緒にドキドキしながら読んでしまいます。 果たしてエラは大切な人の敵を討つことが出来るのか!?」

    「マンガを読むのは、登場人物との知恵比べだ。俯瞰で状況を見ることができる読者は、その状況でのキャラクターのふるまいに共感を覚えたり、愚かさを嗤ったりすることもある。が、一番快哉を叫びたくなるのは、彼ら彼女らが、我々の創造を超えた、ファインプレーを見せてくれるときだ。魔女狩りから始まる修道院の物語、というおよそ普通の日本人には馴染みがないであろうシチュエーションに、絵柄的には実に馴染みやすい日本マンガの得意な十代の女子のキャラクターが登場するのだが、そのキャラクター、特に主人公たるエラは、99%の読者の想像を超えてくる。陰惨になりそうななかにほんのりと感じる希望も含め、スリリングでスリリングで仕方ない!」

▲ ページの先頭へもどる