「物語の冒頭からぐいぐい引き込まれます、各巻の引きも本当に次の話がすぐ読みたくなるような引き方、いくつかのテーマが複雑に絡み合っているのですがそれを考えずとも、ストーリーのみ純粋に楽しめる作品となっています。」
「まだ2巻なので全貌は見えませんが、まずは1巻の巻末まで読んで欲しい!そこまで読んだ人に2巻を読まずにいられるか聞いてみたい。」
「人間の恐怖を掌握する政治。今も昔も根本は変わらないのかもと思います。傲慢さを抑えられる人間になりたいです。」
「かつてはきっとこうだったと読み手の誰もが思う「昔の日本」と思われる山村の、貧しさゆえにほの暗い、けれどもどこか懐かしくもある因習的な習俗。身代わりとか人柱とか神頼みとか、共同体とか集落総出の農作業とか祭りとか、そういうもの。そんな習俗が自分たちの隣にある日常。つまり、昔。明示されてはいないが、そんな「昔の日本」を舞台に描かれる勁い物語が、読み手である我々自身が暮らす現代の日本社会と鮮やかに交錯する。分厚い1巻のラストで。「あの時代」は私たちが今生きている社会と地続きなのだ、それを忘れてはいけないよ、という作者のメッセージが伝わる。そして一層現実味を増したストーリーは同時にファンタジーの自由さも得て、今とも昔とも未来とも、此処とも何処ともつかない場所、つかない次元に読む者を連れていく。主人公は誕生直後に生き別れ、かたや野生の獣のようにギリギリの環境で、かたや貧しくも家族の愛情に満ちた境遇で育った双子。その2人が、そうとは知らないまま運命的に出会う。周囲のキャラクター一人ひとりの造形も素晴らしい。この先、面白くならないはずがない、と確信。大河の予感。未読のかたも今なら間に合う!」
「「ここではないどこか」に読者を連れ去ってゆく力強さとスピード感がハンパないです!」