選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2016ノミネート作品

『恋は雨上がりのように』眉月じゅん

  • 恋は雨上がりのように 3 (ビッグコミックス)

  • 「45歳バツイチのさえないファミレス店長(10円ハゲあり)に恋をしてしまった17歳の女子高生、橘あきら。なかなか伝わらないじれったい思いや、それゆえに大切に感じる気持ちの揺れひとつひとつを、主に女子高生の視点から丁寧に描いていく・・・。そうまとめてしまえばファンタジーというか、あり得ない設定の絵空事の作品のようだ。なんだけど、読んでいて醒めるわけでもなく、わたしのような40代男性を含む読み手の気持ちを掴み、ページをめくらせる現実感がある。年の差28歳という設定でなければ、かつて少年マンガにたくさんあった王道のラブコメディーのように「胸キュン」だし、いまや絶滅危惧種のそんな雰囲気が感じることができるマンガだからこそ、この作品は人気があるのだろう。で、読み手を引き込むそのリアリティーの力とは、逆説的なのだけど、「現実に蓋をする」力だ。実際にこういう状況に置かれれば、どうしたって下心を持ってしまうのが男心というもの。だから、この作品では店長の下心をいかに「描かない」かが最大のカギとなっている(年明けに出たばかりの4巻では少し違ってきているが)。少しでも「それ」を描いてしまえば一瞬で冷める、読者から作品に対する恋。「あり得ない」のは橘さんのキャラクターではなくて、店長のキャラクターなのだ。」

    「誰もが読んでファミレスの店長に憧れたに違いない(笑)というのはさておき、思春期の女の子が恋したのはファミレスのちょっと冴えないおじさん。片思いから始まる恋。表情の変化や、気持ちの表現がとても素敵です。恋がしたくなる漫画。」

    「この恋の行方がとても気になります。テンポが、丁度良いです。」

    「高校生とおじさんの恋の物語。そんなのあるわけないじゃん!って思って読み始めるのに、実際にあるかどうかとか関係なくいつの間にか面白く読めてしまうのは名作だと思っています。フィクションがすっと現実のような感覚でなだれ込んでくるのが気持ちいい。二人の人物の描き方が素敵で、「いや、こんなことだってありそう!」って思っちゃいます。」

    「45歳のおっさんに17歳の女子高生とか、どんなファンタジーかと思って読み始めましたが、既刊分を一気に読んでしまいました。お互い自信が無いながらも卑屈にならないところが、この清々しさにつながっているのかと思います。」

    「2015年のコミック界に彗星のようにあらわれ、男女問わずわたしたちの心をきゅんとさせた女の子、それがこの作品の主人公・女子高生のあきらちゃんです!発する言葉は少ないのに、そのキラッキラの大きな瞳が恋する胸のうちを雄弁に語ります。恋が叶うか否かはさておき、彼女の大切な青春時代の一瞬一瞬を、一秒も逃さず見届けたい気持ちで読んでいます。」

    「よくある恋愛物ではあるが、落ち着いた雰囲気と、純粋なところが、男女ともに楽しめる作品だと思います。」

    「この恋に未来は無い。そう思う大人だからこそ、あきらの恋心を応援したくなる。オバチャンの錆びついた乙女回路がきゅんきゅん回っております。」

    「高校生のあきらちゃんの恋する気持ちとか悩みとか、キラキラしていてまぶしい。恋されてる普通のおじさんの店長も見ていて切なくて。甘酸っぱい気持ちがいっぱいです!」

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