選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2017ノミネート作品

『ゴールデンゴールド』堀尾省太

  • ゴールデンゴールド(1) (モーニング KC)

  • 選考員コメント・1次選考

    「デビュー作の「刻々」に続く2作目も期待を裏切らない物語になりそうな予感。何でもない日常がぐにゃりとゆがんでいく描写、どう転ぶかわからない展開の1巻。早く続きが読みたい。」

    「こけしや日本人形って本来は可愛らしいはずなのに、見ようによっては不気味というか怖いというか...。あのなんとも言えない感情がそのまま漫画になったようなとても不思議なお話。フクノカミっていう明らかに異様な存在が登場しているのにもかかわらず、淡々とページをめくれてしまう話の展開が余計に不気味さを煽ってきます。ほのぼのなのかシリアスなのか、はたまたホラーなのか。今後物語がどのように進んでいくのか全く予想が出来なくて、個人的には今一番続きが気になる作品です。」

    「何だかよくわからないけど、とんでもない方向にストーリーが進んで行くことだけは鮮烈に感じます。とっても怖い。」

    「前作「刻刻」もかなりの重厚な内容でしたが、今回も流石って内容です。話が進むにつれて段々と酷いことが起きそうな臭いがプンプンしますが、この得体の知れない怖さが作者の作品にはあるので、普段漫画読まない人におススメします。」

    「先が気になる作品です。いったいどんなことになっていくのか。まだ1巻だけなので、本当は2,3巻まで出てからとも思ったのですが、いま続きがとても気になる作品なので投票します!」

    「コメディなのか、ホラーなのか、ジャンルに収まらない何ともいえない作品。表紙からは内容は全くうかがえないので、試し読みをぜひして欲しい。」

    選考員コメント・2次選考

    「面白いですただ、ただ面白いですどんなにたくさん言葉を並べても言い表せないほど面白いんですゴールデンゴールドは面白い」

    「ゆるい日常にスーッと入ってくる正体不明の存在「フクノカミ」が何とも不気味。フクノカミの目的は何なのか、はたまた純朴そうな島の住人達はフクノカミに何を願うのか、今後の展開が気になって気になってしょうがない!」

    「ぶっ飛んだ設定なのに、リアルで怖い。」

    「「刻々」で漫画界を驚かせた堀尾先生の連載2作目ということで期待して読んだのですが、1巻に続き2巻も隙のない完成度。じわじわと日常が狂っていく過程はぞくぞくする面白さです。」

    「今勧めたい!という気持ちを優先してゴールデンゴールドを1位にしました。これからどうなっていくのか検討つかない、この気持ち悪い空気をリアルタイムで味わっていくには今から読んでほしいですね。」

    「刻々の堀尾省太先生の最新作。マンガの紹介部分だけをざっくり聞くとピンとくるような来ないような、それなのに読み始めたら止まらないのは刻々と同じです。1話目から突拍子もない。素敵です。どうやってこういう設定を思いついて、漫画にしてしまうのか。天才です。あと琉花がかわいい。」

    「始まりが不気味で、読み進めていくとそうでもない?と思ったけれど、やっぱり不気味。日常が見えない力でじわじわと侵食されていくのはとても怖いけれど、続きが気になって読んでしまう。物語は始まったばかり、まだまだたくさんの謎が隠されている感じなので、これからの展開がとても気になります。」

    「作者は「異形」を描くことに拘っていると思うのだが、前作は世界観が広すぎて、作品に入り込みずらかった。本作は話の軸を一点に絞って、読者をぐいぐい引っ張ってゆくことに成功している。これからの展開が楽しみだ。」

    「この作品の面白さは、一言ではとても言い表せない。表紙にある言葉『金金金をみっつつなげて表す神奇譚』、うーん果たして今後はどうなるの!!??フクノカミという謎の存在が、平凡で平和だった島の人々の生活を、どのように変えていくのか・・。とぼけた表情でいきなり現われた、謎の生き物が、『福をもたらす』からフクノカミ、と安易に名づけられるも、どんどんダークな面も見せてきて・・ストーリーにとにかくオリジナリティがあって、引き込まれる。作者の刻々も大好きだったけど、それ以上に今回は個人的には面白い。人の悪意や欲望を知り尽くすフクノカミは、どうやら武士がいた時代にも存在していたようだ。守り神が人の欲望を吸収して巨大な力をもち、傍若無人にふるまっているのか、それともフクノカミはフクノカミなりの意図があって、いろいろと動いているのか・・どうなんだろう。不気味さとかわいさの同居するフクノカミ、この生き物の魅力について触れておきたい。■みんなの感謝や祈りを吸収して、ニヤニヤする怪しいフクノカミ■ごはんをペロリと食べるフクノカミ■なぜかフクノカミに操られると、おばあさんであってもセクシーに■なぞのピエロの扮装をさせられても、ぬいぐるみのように静かにしているフクノカミ(かわいい)このフクノカミの謎を解く鍵になりそうな伏線がいくつかすでに提示されているのだが、2巻が出た時点で、もう一度1巻を読み直してしまうほど、その設定、その詳細が気になってしまう。そしてリアリティ。金を得るごとに変わっていくおばあちゃん・・。導入で破滅の雰囲気を漂わせているだけでなく、2巻で早くも大きなうねり。早く続きが読みたくてたまらない!!」

    「堀尾先生の描く、登場人物達がガラリと怖い感じに豹変する描写が好きです。内面の混沌としたモノが人間の表に出る際のあの竦むような表現に強く惹き付けられます。人には「嫌なのにもっと見たい」という恐いもの見たさな気持ちがありますが、堀尾先生の作品はそれがとてもリアルな気がします。とにかく強くオススメです!!」

    「神様なのか、祟りとなるのか、島の人には普通の人に見えて、島外の人には不思議な像に見える、だなんて集団催眠かという感じなんですが...。まるで乗り移ったかのようになるところなんて、ホントぞっとします。繁栄をもたらしたあと、ホラーな方に行くのか、怖いの嫌いなのに続きが気になってたまりません。」

    「自分のとこの会社の名前がちょいちょいでてきてびっくりするのですが、それはさておき。儲かりまくっているのに、読む側としては不安しか感じない、しかもその不安を主人公を含めた数人としか共有できない、得体の知れないおぞましさ。一巻から読み直してみると、「もう手遅れなんじゃないの、コレ......」と震えます。いまいちばん「怖いもの見たさ」で読んでしまうマンガです。」

    「良い意味でイメージしていたものと違った作風でした。まだ、もやっとしている感じありますが、これが逆転して面白くなっていくような予感が非常にします。」

    「現実にはあり得ないことでも描くことができてしまう、っていうマンガの特性を最大限に活かしたストーリーで、ゾクゾクしながら読みました。気持ち悪いし、不気味だし、なんかもう嫌な予感しかしないんですけど、それでも続きが気になって仕方ありません。」

    「まだ福の神なのか何か別のものなのかわからないが、続きが気になってしょうがない作品。とうとう何か得体のしれない者も出始めたのでさらに気になる作品。」

    「「フクノカミ」という幸福ワードとはうらはらに、不穏さがいっぱいで心がザワザワする。なのに読むのをやめられない。たとえば自分が異世界にとばされるより、自分の日常の中に違和感が入り込んでくる方が怖いということを思い知らされるマンガ。着地点がまったく予測不能。表紙の不気味さで敬遠されてしまうにはあまりに惜しいです。この不気味さを楽しんでください!」

    「過疎の島がどうやって?栄するのか。福の神は何なのか。だんだんきな臭さも漂い、先が気になって仕方のない作品です。」

    「不穏で淡々とした感触がよい。福の神、のように見えるものが、そのように動作してはいるけど、コミュニケーションできる対象ではないというところがいい。得体の知れない「良いもの」に乗っかるというのはどういうことか。今後の展開が気になる作品。」

    「田舎のじっとりした人間関係の変化をゆっくり丁寧に描写している。その変化の引き金は本当に超常的なことだけなのか、ただ幸運が続けばどこにでもあることなのではないか。」

    「気になる・・・福の神なの?ハッピーエンドなの?バッドエンドなの?なの?なの?と、疑問だけが残っていく。きっと選考委員さんがみんな読んだであろうアイアムアヒーローの第一巻を読んだ時のような。何とも言えない不安感とそれ同じくらいの知りたい好奇心が私の中でせめぎあってる。続きが気になるというか、続きがよめないそんな漫画」

    「異色な作品。まだまだ「先」があるように思えるのだが・・・今でも十分オモシロイ!」

    「大人の世界と子供の世界の狭間だからこそ見える"緩やかな怖さ"に日本ならではの風土風習に絡めた漫画です。終わり方よりもそこに至るプロセスをどう楽しむのかは見る手にゆだねられるところも多く、良い意味で非常に癖の強い作品です。」

▲ ページの先頭へもどる