「高校の時に付き合っていて口喧嘩で衝動的に別れた二人が大学で偶然再会する。友達としては非常に居心地が良いからと遊んでいるうちに元さやに戻るのだけれど、言葉が足りないことや些細なことの積み重ねでまたしても喧嘩してしまうのだが、最終的にはみたび結ばれるのが1巻。この1巻を読んだとき、ありふれたテーマとは思えないくらい面白いけれど、その反面、ほんとうに二人が和解したように思えなかった。若いからなのか性格なのか、ふたりは決定的に会話が足りない。なぜ相手が暴走したのか、なぜ相手が怒ったのかをお互いに理解しないままなんとなく結ばれたようで、いまひとつ消化不良だと思っていた。けれど最新2巻で、その消化不良が効いてくる。真面目な話をしてこなかったことがじわじわボディーブローのようにきいてきて、どんどん追い詰められていく。好きなのにすれ違ったり、お互いのことを思ってるのに傷つけたりして距離が開いていくこの重苦しいどろどろ感がたまらない。」