「日本に来た外国人がカルチャーギャップを描いたコミックエッセイや、外国人が間違って覚えている日本の文化を日本のその道のプロが行って訂正するといったテレビ番組があります。これらの読者・視聴者の立ち位置は日本側にあります。日本に住んでいると当たり前だと思っていたことに対して驚いたり感心したりする外国人を見る側です。ですが、この明治前期の日本を旅するイギリス人のバードさんの物語では、我々も外国人として日本を見て驚く側になります。それほど現在の日本とは別の国のようです。思えば40年前ぐらいは舗装されていない道も多く、道端の水溜りにはボウフラがうじゃうじゃ沸いていたし、クーラーもないから夏は窓を開けて蚊帳を吊っていたし、台所にはハエトリ紙がぶら下がっていたけれど、今の若い子はもう知らないんじゃないだろうか。ゴキブリホイホイだけはいまだ現役なのは、凄いなあ。」