「いわゆる「学習マンガ」のカテゴリーなので、この賞に推すのはふさわしくないかもしれない。しかし最近「学習マンガもマンガではないのか?」と思うことがあり、さらに、昨年読んだ中で1番インパクトがあった本なので、あえて推すことにします。どういうインパクトかというと、「鳥獣人物戯画」や「北斎漫画」を起源に語られがちな「日本マンガ史」を更新するような視点が示されていること。手塚治虫と「桃太郎 海の神兵」の関係はこれまでも語られていたと思いますが、16歳の手塚少年が「海の神兵」の「何に」それほど衝撃を受けたかについて、私はこの本で初めて理解できました。(あわててDVDも買って観ました。)それは、本書はそこまで言及してないけれど、宮崎駿監督の「風立ちぬ」や庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」の見方も変わるということです。サブカルチャーの歴史に興味のある人なら必読だと思います。」