「昨年に続き、2年連続で票を投じさせていただく。アパートに一人で暮らす大人びた振る舞いの4歳児の心の裏側には何が潜んでいるのか。かわいらしい絵柄と「わらわ」「ぞ!」という"殿様語"を駆使するセリフ回しの向こうには、心を震わせる切ない物語が描かれている。1話分のページ数は決して多くないが、心温まる話がていねいに描かれている。各話ごとにいい読後感が味わえる。心の目を潤したい方に。」
「最初はちょっと不気味なぐらい、無表情だった主人公・コタローが回を重ねるごとに表情豊かになって、ごくたまにわがままも言えるようになって......という小さな小さな変化に、心を揺さぶられる。コタローを放っておけない隣人たちも決して、順風満帆な人生を送ってるわけではなくて、それぞれしんどさを抱えてたりもするんだけど、それでも関わりあう。一方的に助けられるのでも、優しさを分け与えるのでもなくて、お互いがちょっとずつ荷物を持ち合うような人間関係にホッとさせられる。しょうもないギャグの応酬を見ていると、妙に心が休まる。疲れたなーと思った夜に読み返したい一冊です。」