選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2019一次選考作品

『乙女怪獣キャラメリゼ』蒼木スピカ

  • 乙女怪獣キャラメリゼ 1 (MFコミックス アライブシリーズ)

  • 「超絶キュートな絵柄でありながら、主人公がメタルバンドをやっていたり、狼人間の住む監獄学園に囚われて大立ち回りをやったり、そういう素敵なギャップある作品を作り続けてきた蒼木スピカ先生の最新作です。ただキャッチーさの演出のためだけにお題にしているわけでは断じてなく、先生ご自身のメタルなど題材への愛と造詣の深さがビンビンに伝わってくる先生の新作ということで個人的にも大注目していました。今まで以上にゴリゴリの少女漫画的な展開の中心になるのは、「怪獣」。主人公のクロエちゃんは、感情が高ぶると怪獣に変身してしまう奇病に悩む女の子ですが、この怪獣の造形が容赦ない。少女漫画に怪獣、っていうとちょっとツノやらシッポやらが生えたりそんなのを想像するかもしれませんが、そこはさすがの蒼木先生、円◯か◯宝か、はたまた大◯なのか、というくらいの超本格派な怪獣の造形を目にした瞬間、ああやっぱりこの先生すごい......とため息が漏れました。ペットの名前が「ジャンボキング」だったり、隅々まで行き渡る怪獣特撮リスペクト。すごい。しかしそれでいてお話それ自体は悩める女の子の恋と葛藤というド直球の少女マンガで、誰もが手に取れる優しいおはなしです。絵は可愛く、ネタは超個性派、お話は正統派。ぜひブレイクしてほしい先生の作品です。」

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