「一昨年の「零落」や今年の「勇者たち」、そして「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」。最近の浅野いにおの諸作品に対しては、安易に語る言葉が出てこない。平成を代表する作家を一人挙げろと言われたら、この人になるかもしれない。この短編集は「まあ読んでみて。最初の表題作で肌に合わなかったらやめて」と人には言います。でも家では、本棚の一番手に取りやすいところに置いています。決して気軽に(気持ちよく)読める作品群ではありませんが、マンガって現実に対して何の意味があるのかな?と疑問に感じたら、浅野いにおを開くことにしています。別に答えが書いてあるわけじゃない。ますますモヤモヤするだけ。でもそこがいいんですよね。」