「普通とは、何なのだろうか。ただひたすらにそのことを考えさせられる作品。登場人物たちの一部が抱える感情は、いわゆる普通ではないのかもしれない。向けられている対象が違うという一点を除けば、その感情自体は、あまりにも自然。普通なのだ。しかしそれによって傷ついたり、関係性が変わってしまう。あまりにも難しい問題の渦中にいる登場人物たちの、今後を見守りたいと思う。作品を通して、心情表現の細かさに感嘆する。登場人物の目力の凄さや、その一方で顔を描かずに表情を描く表現など、とても印象的だった。」
「ただ、ただ、せつない。」
「恋をすると、同時に大切なものを失ってしまうことがある。うまくいっている二人の陰で、実は苦しんでいる人がいる。みんな、ただ人を好きになっただけなのに。それぞれのキャラの葛藤や苦しみに、こちらの胃もきゅーっとしてしまう。7巻で、読者や世間の声を代弁するようなやりとりがある。自分の学生時代には話し合われることがなかった事なので、この作品を現代の学生がどう読むのか、とても気になる。そして、なにより続きが気になる。みんなしあわせになってくれ。」