選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2020一次選考作品

『赤狩り THE RED RAT IN HOLLYWOOD』山本おさむ

  • 「重厚、重厚、重厚!オヤジに次ぐオヤジに次ぐオヤジ!!!共産主義排斥が席巻した1950年代のアメリカ、社会全体に広がった赤狩りは、映画界、ハリウッドにも吹き荒れ、俳優映画監督脚本家、謂われなき弾圧に遭った人間が多数いたからこそ、「ローマの休日」も「エデンの東」も生まれたのである、という、史実をベースにフィクションと組み合わされながら、ショウビジネスから原爆スパイ、公民権運動まで、歴史がトン単位の重さを持って迫ってくる。実に立派なオヤジフェイスたちは、人によっては主義を貫き通して逆転劇を演じ、逆にブレたことによって没落したり、固執することによって破滅したり、と、まったく違う人生を歩む。 ヘップバーンってそういうバックボーンが!え、チャップリンってそんなだったの?!みたいなミーハーなスパイスも加えて、古い名画を見る楽しみまで増やしてくれる作品。」

▲ ページの先頭へもどる