「理知と幻想の溶け合うファンタジーを思索的に綴る鬼才の初作品集。独創的な語りに圧倒される。」
「独特な絵柄と世界観。哲学的なのにすらすらと読める「金魚の人魚は人魚の金魚」が特にすごい。絵柄や雰囲気は全く違うが小田空さんの漫画を思い出した。しん、とした語り口調は絵本や短編小説のような雰囲気。読み心地。途中に実写背景を組み込ませるなどの手法を使ったり、作品の世界の説明に使用する画面の構図などがとても斬新で、記憶に残るし、なぜか癖になる。」
「今年の「ああ、とんでもないもの読んじゃったなぁ」枠。著者の情念と情緒と思索と思考とが、そのまま漫画に焼き付いている系の不可思議漫画。SFだ。思弁小説漫画と言っていい。読むと、当てられてしまう。こちらの情念と情緒と思索と思考にも、やはり焼き付けられてしまう。『偽史山人伝』もほぼおんなじ感じかんじだが「金魚の人魚は人魚の金魚」が収録されているこちらを選んだ。コマ一つで億年を超えられてしまうともうだめよ。ぐっときちゃう。あかんよ。」