「日本の田舎の情景が素晴らしい。美しい自然と風情のある街、狭くて暖かい人たち、田舎特有のまとわりつくような人間関係、日本古来の湿っぽさを持った不思議、自然への畏怖と、いい面も悪い面も描いてあって、田舎の温泉街の一員となったような、強い没入感があります。その中で生きている若者たちを中心としたドラマなのですが、とてもリアリティがあります。日本古来のコミュニティの良さも悪さも含めてどっぷりつかりたい方にお勧めのマンガです。」
「これぞ、いやこれこそが群像劇*!驚くほど丁寧に、繊細に、登場人物の感情やそれぞれの距離感、表情が描かれています。素晴らしい表現力だなあ、と息を呑みます。胸が締め付けられるような、じんわりとあたためられるような、大切な気づきをくれるような。まだコミックスは1巻のみ。完結するまで楽しませてくれること間違いなし。吉田秋生さんの作品に共通して言えるのは、最初から最後まで丁寧であり続けてくれるということ。続きをお待ちしてます。」
*群像劇
主人公にスポットを当て、それを取り巻く人々という見方で脇役を描くスタイルの劇ではなく、登場人物一人一人にスポットを当てて集団が巻き起こすドラマを描くスタイルの劇のこと。(Weblio辞書)