「設定からすると『女流将棋マンガ』である......が、もしかすると最近では、こういうカテゴライズをすることさえもジェンダー論としては問題視されるのだろうか。というのは脇道のようでもあるが、この作品は『女流』をマクラにつけず本質を語ることができない。棋界という男性上位の社会において、女性がどう生き抜いていくか。本作は書きこむ背景ほかただの男性のなかで。『女流』が重要な作品の要素となっている。そもそも将棋界において『女流』として区別されること、男性の棋士と比しての格下扱い、社会のなかでの不確実な立ち位置......。主要キャラクターそれぞれに『女性』という枷があり、その枷がエンジンとなって、それぞれの女流棋士を際立たせ、グイグイとドライブ感に昇華させていく。熱い!」