「3巻を数えて、史上最強の『文学少女』マンガという真価がいよいよ際だってきたと思います。ここで言う『文学少女』とは、それっぽい表層的イメージではありません。『世界を作っているのは言葉』であること、それゆえ『言葉を疑うことから文学は始まる』ことを、非常にわかりやすく説明してくれます。レゴブロックを文字に見立てて、まりあと笛田がレゴの組み合わせで『会話』する回など最たるもの。オチもすばらしい。文学少女まりあは白く長い髪の少女として描かれていますが、それは笛田の目にだけ映る彼女であって、現実のまりあの外見は違うらしい。妄想の中に生きているのは、まりあでなく笛田の方。まりあは、そんな彼の中に『文学』を見ているというセカイ逆転の妙。歪んだ純愛ラブコメとしても絶品です。『マンガは文学じゃないの?』という問いに、笛田が『諸説ある』と答えるところもニヤニヤしてしまいます。」