選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2022一次選考作品

『しあわせは食べて寝て待て』水凪トリ

  • 「働き盛りの中で病気となった主人公が薬膳と出会って丁寧な暮らしを...と、この説明では『(笑)』となりそうなものだが、『そこにいたる道のり』がそれこそ絶品の『丁寧さ』。読んでいて『漫画うめ~!!』と声が出る。主人公の『がんばれぬ』となるまでの流れにしみじみしつつ、1巻でグっと来たのは回想に出る後輩吉澤。主人公のメールをスパム登録、トイレで陰口などかましつつ、主人公退職時にはおそらく本気の涙を流す。こういう人間は実在する......!!基本ほっこりしながらも『感情の流れのリアルさ』は徹底しているからこそ出せる業。」

    「ひょんなことでちょっとずつ動いていく主人公によしよしと気持ちがはいります。薬膳の話もすっとはいってきて無理がなく受け入れられるやさしいお話。」

    「主人公の麦巻さんが抱える孤独と不安、アラフォー以上の女性には刺さるものがあるのではないでしょうか。そんな孤独とゆっくり向き合う彼女の姿に、『辛いのは私だけじゃないんだ』と勇気づけられました。薬膳もテーマの一つになっていますが、ガチガチというよりはゆる~い薬膳なのも良いですね。」

    「40歳を超えた自分としては気をつけなくては行けないことなど、食に対してとても勉強になります。」

    「アラフォー、持病あり、正社員をやめて週四勤務のバイトに転職という設定が、なんだかとても他人事ではない気がして読み始めました。ものすごく不幸で大変、ではないけれど、これからどう生きていこう......というぼんやりした不安みたいなものに、とても共感します。行きつくところは、無理せず普通に暮らしていくことで、その『普通の暮らし』はちょっとした工夫で楽しくできるのだな、と気づかせてくれるマンガです。」

▲ ページの先頭へもどる