選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2022一次選考作品

『ぼくのお父さん』矢部太郎

  • 「話題先行で、今さら感はありますが、やはり落とすわけにいかない。『大家さんと僕』よりも傑作だと思います。温かい絵柄のために、ほのぼの親子ものに見えますが、幼い息子が父を見つめる目は、実は相当にシニカルで辛辣。矢部さん自身が認めていますが、つげ義春の『無能の人』を、息子の目から裏返したような作品です。変わり者の夫を支えるために、いろいろなものを諦めねばならなかった『お母さん』の心情も、さりげなく、きっちり描いているのはすごいと思う。芸人マンガ家・矢部太郎の才能がホンモノであることを証明した一冊です。」

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