「なんて繊細で心の深いところに訴えかけてくる作品なのだろうと感心してしまいました。読み終わった後には少し心が軽くなって前向きになれるような素敵な短編集。この本がデビュー作というのことにも驚くばかりで、今後の作品がとても楽しみで仕方ありません。」
「まずは装丁とタイトルが気になり、手に取った。日常の一ページを切り取ったようで、そうではない。じんわりと心に響く。」
「日常、何となくやり過ごしてしまう小さな切なさや悲しみが、ファンタジーを交えて丁寧に描かれています。普段過ごしていてふと感じる寂しさのようなもの。あまり深く突き詰めないでいたけれど、それはこういうことだったんじゃないか......ということに気づかせてくれるような短編集でした。とくに、『海の底から』にはどきっとしました。」
「この著者のレンズを通してでなければ描けないであろう幻想的で澄んだ空気感や、言葉の置き方が読んでいてとにかく心地よい。見開きをはじめ、ページやコマの使い方のセンスが良すぎ。こんなにも綺麗な雪と、冬のエピソードを沖縄出身の方が描くのかと驚きもした。22年発売の短編集の中でピカイチのお薦め。」