選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2023一次選考作品

『おとなになっても』志村貴子

  • 「いい年したっていうといやな言い方ですけど、まあ、でも、いい年した女性二人の恋愛物語、とはいえ30代なかばくらいの女性の漂う心理を描いています。主人公は、なんだか淡々としているようにみえるんですが、思春期の頃に気づけなかった感情の火に気づき、また再燃して、静かにその火を守っている。素知らぬ顔で教壇にたち、日常を送っている。わたしたちひとりひとりは社会の中で見かけ上は統一した人格っていうことになっているけれど、ひとりの存在のなかには複数のいろいろな流れがあって、そのうちのどんな流れがそのときわたしを通じてあらわれてくるか、溢れてくるかはわからない。生きていくことの確信とゆらぎについて考えさせてくれます。」

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