選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2023一次選考作品

『吉原プラトニック』オキモト・シュウ 、 藤川よつ葉

  • 「舞台は江戸時代の吉原の遊郭。生身の女性が苦手な浮世絵道楽のヲタク侍を見かねた父親が、浮世絵に描かれた吉原の売れっ子花魁に手ほどきをお願いしようと遊郭に放り込む。これがプロローグ。『生身の女性を克服』という軸で考えると、関係性は『花魁>ヲタク侍』となるが、ヲタク侍が振る舞った手料理に、稀代の食道楽の花魁がハマってしまい、時折立場の逆転が起きる。回を経るごとに、薄紙を重ねるように少しずつ変化していく2人の関係。江戸時代に実在してもおかしくない程度に時代考証が加えられた手料理の描写もいいが、ただのグルメマンガではなく、主人公2人の心が動く男女の物語にきっちり仕立てられているのが白眉。既刊3巻(3月発売の4巻で完結)。」

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