選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2024一次選考作品

『ウスズミの果て』岩宗治生

  • 「荒廃し絶望的な世界が舞台ですが、主人公が出会う人々とのストーリーがじんわりあたたかく心に響いてきてとても素敵な作品です。背景の描き込みも素晴らしい!」

    「退廃した世界を、ゴールの見えない任務を果たすべく1人と1匹が旅をする。一見して重たく感じる設定ながらも、緻密に描かれた世界、主人公の小夜とクーの表情や、行く先々での発見や出会いのエピソードのそれぞれが、読む側の気持ちを前向きにさせてくれる。その先にどんな光が待っているのか、ぜひとも追い続けたい旅の物語。」

    「大戦が起こり、病原菌で人生は死滅した。終末世界となった場所で1人生存者を探し続ける女性の物語。『火の鳥』のロビタを令和にグレードアップして読んだかのような不思議な感覚のするストーリーだ。基本はそこに映画『アイ・アム・レジェンド』の女性版があると考えてもらったらわかりやすいかも。廃墟がかなり細かく書き込まれており、その美しさも魅力の一つ。」

    「人類が滅亡した荒廃した街で人類を探す世界観が好きです。荒廃した建物の描写が非常に良いですね。環境に対応した生存者と出会い、仲間が増えてこれからの話しの展開が楽しみです。」

    「いやーすごい作品出てきた...。今までの口調じゃあ書かれねぇ...。あまりにも深い人間の業。しゅうまつがやってきたあとの世界。人が生きた痕跡は醜い争いだったり確固たる信念で、人と世界の在り方を深く考えさせられる作品。つくづく人間は『人間病』なんだなぁと思う。自分が世界に何を遺すか、遺せるか、人類は何を遺すべきなのか。何が遺るのか。今生きる私たちが抱えている問題。終末後の世界には国境なんて何の意味も無いし、現代人が囚われてる組織、責任、肩書きなんてものも意味を持たない。描かれる世界はただただ空虚で残酷で自由だ。...それにしてもちょっと画力高すぎやしませんかね?小夜ちゃんになりたいかって言われると私には難しいかな、シネマの館長でお願いします(懇願)自分だったら活動停止する時までマンガとアニメとゲームを見まくるんだろうなぁ。でも行き詰まる?息が詰まる?そう考えると使命って人を生かす重要な要素なのかもしれない。今さかんに行われているAI開発や高性能ロボットの行き着く先は、もしかしたら人類文明の存続なのかもね。」

    「緻密な背景の描き込みにまず心奪われました。そして静寂さをも感じさせるような独特な世界観が最高です。誰もいなくなった世界で、ひとり任務を遂行するため静かに旅をする主人公の姿は美しくすらあるように感じました。今後の物語の展開が楽しみです!」

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