「緻密に凝った世界設定、たくさんの登場人物が登場する群像劇、不穏な謎を散りばめた伏線、そしてなによりしょっちゅう涙腺を緩ませてくるストーリーと、全方位魅力だらけな作品なのですが、それをここまでたった7冊で表現しているということに驚愕します。特に2023年末時点での最新7巻で描かれた、民族間の問題を背景にした作中作の規制に関する展開など、『図書館』という舞台をただの装置で終わらせてないところもすごい!」
「今年で7巻。選考対象のうちに、なんとかノミネートを...そしてもっと読んでくれる人が増えることを願っている作品です。本への熱い情熱を持った人たち、仕事へのプライド、種族間の差別や本による扇動や情報統制についてなど、たくさんのテーマに真っ向から向き合っています。巻を終えるごとに惹きつけられる構成になっていて続刊が待ち遠しいけど、年1の発刊ペースなのでじりじり待っています。」
「とにかく絵が綺麗で書き込んでるなと思う。が、それだけでは無く、図書館と魔法のファンタジーがよくできるストーリーで良い作品だと思います。」
「漫画好き、本好きに読んでほしい漫画。夢があるけどリアルに作り込まれた設定や話が面白いのはもちろんのこと、絵がものすごく綺麗。ページをめくった瞬間現れた見開きを使った本棚に思わず『わぁ』と声が漏れた。漫画も小説もページをめくる楽しさってあると思うのですが、この漫画は本当にわくわくする。そして4巻でとある真実に驚くはずです。ぜひあなたの手で物語のページをめくってみてください。」
「『本』が持つ力について真摯に向き合って作られたファンタジー作品です。最近のエピソードでは、本の与える悪い方向の影響力と、それについて世界はどのように振る舞うべきなのか、という、いま現在のこの世界にもしっかりと重なるテーマが展開されます。現代社会とメディアに対しての一つの落としどころを提示しながらも、決してそれがベストなわけではない、という含みを持たせているバランスも優れていると感じます。もともと、一風変わった世界観を丁寧に積み上げてきて、その奥行が大きな一つの魅力でしたが、敵対勢力もその姿を本格的に表し、一つの大きな転換点を迎えて、スリリングに物語が加速していきます。画も物語も情報量特盛、国産ファンタジーのテッペンに駆けあがっているマンガです。」