選考作品へのおすすめコメント
マンガ大賞2024一次選考作品

『贋 まがいもの』黒川裕美

  • 「帝展に入選するほどの腕間を持ちながらも師匠に従うことをよしとせず、落ちぶれて転がり込んだ家の2階で幽霊がばかり描いている馨。面倒を見る形となった姉妹は旅の一座の母親がなかなか戻らない中を食べるものにも困る生活をしていた。家まで追い出されそうになって馨も発起し絵を画商に持ち込むものの、売れたのは師匠の模写だけ。昔の知人にも小馬鹿にされたことから馨を姉妹は師匠の贋作を仕立てて売りつけ難局を乗り切るが、そんな馨の身に以上が起こる。才能があっても作風が求められない者の怨嗟が聞こえてくるような物語。オリジナルが認められる世界をこそ望みたいが、そうもいかない状況で戦う馨の決死を応援したい。」

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