「マンガのコマはあちら側への窓のよう。身を乗り出せば、向こう側に広がる世界をつぶさに眺めることができるんじゃないか。そんな作品が好きなのですが、2024年に出会った物語で、窓からの世界が最も魅力的に描かれていたのが、この『イズミと竜の図鑑』でした。洒脱な台詞回しやユーモアとともに描かれる自然、生物、種族、社会の営みは、描かれているものごとを超えて立体的に世界を浮きあがらせ、私たちの想像力に旅をさせてくれる。作中の言葉を借りれば、『冒険の香りがする』作品です。」
「デザイン、アイデア、ストーリーが噛み合ったファンタジー。」
「ファンタジー世界を舞台にした弱小出版社で『竜の図鑑を作る』という役に抜擢された記者と護衛の冒険者という話ながら、既存のファンタジー設定ではなく独自の竜という種の取り上げ方や、それにまつわる人間の思惑やどうしょうもない現実に向き合いながら成長していく凸凹コンビというバディものでもあり美麗な世界観の構築とアートワークに圧倒される作品。」