「ありがちな分かりやすい『陰キャ』『陽キャ』の二元論ではなく、1人1人にそれぞれ違う個性があり、皆自分の性格に向き合いながら社会とすり合わせ、どう生きていくかを模索しているという当たり前のことを、明るく読みやすいラブコメテイストを保ったまま描いている作者の力量に感服します。」
「7巻はもはや東と平がメインを張っていてグイグイ引き込まれた。それぞれの抱えている問題は、まったく嚙み合うようなものに見えなかったが、一緒に過ごすうちに距離が自然と縮まり、じわりじわりと相手を変化させていく(変化してしまう)化学反応が鮮やかに描き出される。くだけたセリフの巧みさも一貫して魅力的。」
「昨年完結のこちらも楽しかった。ラブに寄せた青春群像劇。キュートな作画だが、時に重い関係性への考察が。平と東が好きです。」
「ラジオの格言に、『しゃべり手はカメラである』というものがあります。同じ状況だったとしても、人によって、何に注目するかがまったく違う。例えば同じ本屋に行っても、私だったらマンガのコーナーが他の書店と違ったら気がつくでしょうし、料理の好きな人だったら料理本のラインナップに目が行くでしょう。連れて行くレポーターが違ったら、放送にのる言葉は全く違ったものになるわけです。この作品で描かれる高校生の恋愛模様は、ある意味とてもよくあるいきさつ。しかし、その中で、ものごとをクローズアップするオリジナリティが凄すぎる!!第34話の、クリスマスと初キスのエピソードの中に、生クリームの値段に驚く描写とか、愛しみがありすぎて、も、泣けてくる。」