「これだけのものを背負ってこれだけのものを注ぎ込んで、いつもユーモアを絶やさずしなやかに描ききった胆力に感嘆するほかありません。」
「息詰まるような凄い作品でした。」
「戦時下の呉に生きた市井の人々の姿を描く。こうの史代の描く物語は一見穏やかでありながら、どうしてこんなにも凄絶なのか。漫画表現として大変な地点に到達している気がする。」
「何も特別な事ではないように感じる毎日の生活や家族を急に愛おしく思いました。「おしまい」ではなく「つづく」で締めくくられるような、昔そんな時があったようなお話を、たくさんの人に手にとって欲しいです。」
「随所にひっそりと仕掛けられていた伏線の回収が見事すぎて、何度も息を飲みました。特に下巻の表紙の仕掛けに気付いた時には、言葉を失うほどの衝撃がありました。こうのさんの他の作品にも言えることですが、ユーモア部分とシリアス部分の配分が絶妙です。戦争という重いテーマを扱っているのに、出てくる人々の温かさで読み手を置いてけぼりにせずに最後までしっかり読ませてくれます。」